打敷は「うちしき」と読み、仏壇を飾るための荘厳具です。法事やお彼岸、お盆などの特別な行事の際に打敷を敷くのは、仏様やご先祖様を供養するため。そこで、本記事では打敷に関する意味や種類、素材、お手入れに関する基本知識などについて詳しく紹介します。
打敷とは何?
打敷とは仏壇を飾るための仏具です。法要やお彼岸などに利用され、平時にはあまり利用されません。お釈迦様は主に外で説法をおこない、座るのは地面や石の上だったそうです。
そこで、弟子たちがお釈迦様の座る高座に感謝や尊敬を込めて自分達の着物や花を敷いたり、飾ったりしたことが打敷の起源であるとされます。その後、打敷は仏壇を荘厳する仏具として利用されるようになりました。
打敷の種類は2つ
打敷の種類として、次の2つが挙げられます。
- 三角打敷
- 四角打敷
打敷の種類によって形状が違うのはもちろんのこと、それを使う宗派が異なります。そのため、家族や親族にどの宗派かを確認して適切な打敷を選ばなければなりません。
また、同じ宗派だとしても派閥によって好まれるタイプが違います。恥をかかないためにも、それぞれの詳しい内容について見ていきましょう。
1.浄土真宗で用いる「三角打敷」
三角打敷とは逆三角形の形状をしている打敷のことであり、浄土真宗で活用されています。幅は卓の幅よりも少し大きく、左右に垂れる部分があるものが正式な形です。
ただし、本願寺派と大谷派で多少趣が異なることを理解しておかなければなりません。本願寺派は下り藤が望ましいとされており、織物を用いて前卓のみに敷きます。
一方、大谷派では八つ藤が望ましいとされ、刺繍が施されているタイプが好まれます。また、前卓と上卓両方にサイズの異なる打敷を敷くケースが多いようです。
2.浄土真宗以外の宗派で用いる「四角打敷」
四角打敷は長方形の打敷で、「角打敷」とも呼ばれます。禅宗系をはじめ、浄土真宗以外の宗派で使われています。
三角打敷と同様に、金や銀の糸を使用した織物や刺繍が施されたものが一般的です。家紋がある家の場合は家紋を打敷に刺繍しているケースも多く、デザインもさまざまです。また、サイズは卓の幅と同じものが使用されます。
打敷の代表的な4つの素材
打敷の代表的な素材としては、次の4つが挙げられます。
- 人絹(じんけん)
- 綿(わた)
- 金襴(きんらん)
- 正絹(きぎぬ)
どの素材も打敷で広く利用されています。素材によって打敷の料金が大きく変化するため、購入する際にもこれらのポイントを活かせます。打敷選びに失敗しないためにも、ここでは素材ごとの詳しい内容を見ていきましょう。
1.人絹(じんけん)
人絹(じんけん)とは、レーヨン長繊維とも呼ばれる化学繊維のことであり、人工的な絹糸です。独特な光沢が特徴的で、日本では1918年から作られた素材であり、天然絹の代用として開発されました。
天然絹よりも安価で吸水性に優れています。しかし、水には弱いという特徴もあるため注意しなければなりません。人絹の打敷は「1,000円前後」と安価なものが多く、頻繁に買い替えたいという方におすすめです。
2.綿(わた)
綿(わた)は手頃な価格のものが多く、とても人気の高い素材です。人絹と同様に、吸水性や耐熱性にも優れています。
そのため、ほかの素材に比べて手入れがしやすいといわれています。ただし、弱アルカリ性洗剤で丁寧に洗う必要があり、手入れがしやすいからといって洗濯機に放り込んで回せばよいというわけではありません。
3.金襴(きんらん)
金襴(きんらん)は金箔を細かく切ったり、巻き付けたりした状態で織り込んでいる布地のことです。織物の中では上位ランクに位置付けられ、普段使いのものに活用される素材ではありません。
僧侶の衣や掛軸、雛人形の衣装などに多く使用される素材です。ただし、金襴ベースの生地が正絹の場合、手洗いなどはできません。そのため、取り扱いには配慮が必要です。
4.正絹(きぎぬ)
正絹(きぎぬ)は「すずし」とも読み、蚕の繭から取った糸である生糸を織った絹100%で作られる精錬織物です。正絹は蚕を育てる段階からはじめるため、製造までに多くの手間がかかります。
そのため非常に高価で、高級な着物にも使用されていることが多い素材です。独特の光沢感を持ち、見た目にも別格の美しさを誇ります。
ただし耐久性が低く、手洗いもできません。普段使いではない特別な打敷に向く素材といえるでしょう。
打敷のお手入れに関する3つの基本知識
打敷の手入れに関する基礎知識として、次の3つが挙げられます。
- 洗濯ではなく乾拭きが一般的
- 基本的には消耗品である
- 家庭ごみとして廃棄しても問題はない
いずれも打敷を自分で手入れをするうえで、欠かせないポイントばかりです。手入れに失敗して買い直すといった事態にならないためにも、それぞれの詳しい内容について見ていきましょう。
1.洗濯ではなく乾拭きが一般的
打敷に使用される生地は安価なもので「人絹」、高価なものだと「正絹」といったように、一般的な衣類とは違います。どれも形状が崩れやすく、縮みやすいものばかりです。
よって、洗う際には洗濯や手洗いではなく、乾拭きをするのが一般的といえます。また、形状が崩れて縮むのならば、アイロンを使用すればよいと考える方も少なくありません。しかし、アイロンでは元どおりにはならないケースがほとんどです。
2.基本的には消耗品である
打敷の特性上、汚れがつきにくいため頻繁に交換する必要はありません。しかし、基本的には消耗品として考えるべきです。
使用中に汚れたり、日焼けによって変色したりと劣化は進んでいくため、どれだけ高級な素材を使用していてもいつかは交換時期を迎えます。こだわりがなければ必要以上に高いものを選ぶ必要はないでしょう。
3.家庭ごみとして廃棄しても問題はない
打敷は仏具の1種であり、家庭ごみとして廃棄しても問題はありません。仏具は仏壇とは異なり、魂が宿るという考えはないのが一般的です。
ただし、仏具として法要などで使用した経緯から、家庭ごみとして捨てることに抵抗がある方も多いでしょう。そのような場合は、お寺などに相談してみてください。宗派によっては、しかるべき供養を行ってくれる場合もあります。
仏具に関する処分方法は以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
仏具を処分する4つの方法を紹介!処分に関する概要や注意点も解説
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まとめ
打敷は仏壇に荘厳する仏具のことで、荘厳具とも呼ばれます。法要などに利用される仏具であり、普段使いされるものではありません。正絹など高級な素材を使用した打敷を購入する方もいますが、基本的には消耗品です。
また、仏具には魂が入っていないと考えられているため、供養の必要はありません。ただし、宗派などによっては供養が必要なケースもあり、手間やコストを考えれば買取も視野に入れたほうがよいでしょう。
買取業者であれば、処分すると同時に対価を受け取れます。精巧な細工や希少な素材が使用されている仏具であれば、高額買取も期待できるでしょう。
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