世界には、さまざまな種類の宗教があります。日本国内であっても多数の宗派があり、世界で見るとさらに多くの宗教があることはご存知でしょう。そこで本記事では、各種類の宗教について解説していきます。宗教ごとの考え方や埋葬方法の違いについて、理解を深めていきましょう。
宗教の種類
宗教によって何かを信じることは、実際に神様などがいるかいないかに関わらず、大きな心の支えとなります。世界にはさまざまな宗教があり、それぞれ異なる教えを持っています。そして信仰する宗教が、どのような考え(教え)なのかによって、人々の行動も大きく異なるでしょう。ここでは宗教の種類について、各特徴を解説していきます。
世界・民族・自然
世界に伝わる宗教は、いずれも「世界宗教」、「民族宗教」、「自然宗教」といった3つに分類できます。それぞれどんな宗教が含まれるのか、以下の一覧を確認してください。
分類 | 宗教 |
世界宗教 | 仏教イスラム教キリスト教 |
民族宗教 | ユダヤ教ヒンドゥー教道教神道その他 |
自然宗教 | シャーマニズム呪術アニミズム |
民族宗教の「その他」には、古代エジプトやギリシア、ローマ、アステカ、ペルシアなどに基づく考え方が含まれます。また宗教の中には、さらに宗派が分かれているものも多くあるのです。キリスト教であっても、「プロテスタント」と「カトリック」では聖職者などが異なるといった例が代表的でしょう。
世界三大宗教
世界には実に多くの宗教があります。前述した宗教のほかにも、「ゾロアスター教」や「シク教」などさまざまなものが存在するのです。日本では、数ある宗教のなかから代表的なものを「世界三大宗教」としています。三大宗教に含まれる宗教は、以下のとおりです。
- キリスト教
- イスラム教
- 仏教
しかしここで注意したいのは、「世界三大宗教」というのがあくまでも「日本国内」に限った認識だという点です。英語圏などでは「五大宗教」とされており、上記3つに加えてヒンドゥー教とユダヤ教が含まれます。
日本の三大宗教とは?
日本国内で代表的な宗教とされているのが「日本三大宗教」です。日本の三大宗教とは「仏教」と「神道」、「キリスト教」の3つを指します。日本人はどの宗教にも属さない方が多く、「無宗教」と認識されている国です。
しかし3つの宗教については、最低限の知識を有している方も多いのではないでしょうか。ここでは、それぞれの宗教についての基本的な考え方や、宗教間での違いが大きい「葬儀の形式」について解説します。
仏教
日本人にとって馴染みのある宗教は「仏教」ではないでしょうか。日本に伝わる宗教のなかでも仏教は大部分を占めており、日本全国に「お寺」があることからも、日本人に仏教徒が多いことがわかります。
しかし私たちは、日頃仏教に触れる機会が少なく、日本人には仏教徒が多いという認識はあるものの、仏教がどのような宗教なのか、しっかりと理解している人は少ないかもしれません。なかには、仏教と神道の違いも曖昧だという方もいるでしょう。仏教について、以下で詳しく解説します。
仏教とはどんな宗教?
仏教は2,500年前に誕生した宗教であり、お釈迦様(仏陀)が開いたとされています。仏教のなかには13もの宗派があり、天台宗や浄土宗、浄土真宗、日蓮宗などが代表的です。
住職やお坊さんと呼ばれる方々が「聖職者」にあたり、お経を唱えて祈祷や供養をおこないます。日本人が「お葬式」と聞いてまず思い浮かべるイメージは、仏教独自の「儀式」といえるでしょう。
仏教における葬儀の形式
仏教における葬儀の形式は、前述したように日本人がよく目にする「お葬式」のスタイルです。住職などがお経を唱え、亡くなった方を供養します。お参りは、基本的に数珠をもって合掌するスタイルです。そのうえで焼香をするといった流れが、日本で一般的なお参りの形式でしょう。
僧侶が故人に新たな名前(戒名)をつける点もまた、仏教ならではといえます。前述したように仏教には13の宗派がありますが、葬儀の流れは共通です。しかし、細部までいずれの宗派も同じというわけではないので注意してください。
神道
神道もまた日本で広く知られている宗教で、「民族宗教」の一つです。仏教が中国や韓国、東南アジアなど多くの国で信仰されているのに対して、神道は日本人ならではの宗教といえるでしょう。しかし開祖がいない、一神教ではないことから、どんな宗教であるのかが定義に曖昧であることから、現代の日本人との接点は少なく「あまりピンとこない」という方も多いかもしれません。
神道とはどんな宗教?
前述したとおり、神道には仏教でいうところのお釈迦様のような「開祖」が存在しません。「特定の誰かが開いた宗教」というわけではなく、神話とともに自然と広がっていった宗教と認識するとよいでしょう。神道に関連の深い建築物としては「神社」があり、現在の日本では8万社以上の神社が確認されています。
現代でも正月には初詣として神社へお参りにいくことから、日本人の習慣に自然と根付いているのが「神道」です。
神道の歴史は非常に古く、一説では紀元前600年頃まで遡るとされています。神道は「八百万の神」を信仰する宗教であり、あらゆるものに神様が宿ると考えられているのです。
神道における葬儀の形式
神道における葬儀のスタイルは、仏教とは異なります。神道において「死」は「穢れ」とされており、神様を祀る神社は「聖域」であるため、その中で葬儀をおこなうことはありません。基本的には自宅やセレモニーホール、葬儀場などで式を挙げるのが一般的です。
葬儀の流れ自体に仏教と大きく異なる点はありませんが、故人の捉え方など細かな違いがあります。仏教と神道の違いは、以下で確認してください。
神道 | 仏教 | |
故人 | その家の守護神となる | 成仏する |
お参りの方法 | お焼香をする | 玉串奉奠(たまぐしほうてん)をおこなう |
お金について | 香典を渡す | 御玉串料(おたまぐしりょう)を渡す |
キリスト教
世界中に信者を抱えるキリスト教は、日本の三大宗教というだけではなく、世界五大宗教にも含まれるものです。キリスト教にも多くの宗派がありますが、それらは「カトリック」と「プロテスタント」のいずれかに分類されます。日本にも多くのキリスト教徒がおり、カトリックがより一般的です。ではキリスト教について、以下で詳しく見ていきましょう。
キリスト教とはどんな宗教?
キリスト教は「イエス・キリスト」を唯一絶対の神とする宗教です。ユダヤ教を母体としており、1世紀頃にパレスチナから広まったとされています。日本にキリスト教が伝わったのは戦国時代です。宣教師ザビエルによって布教されたことは、周知のことでしょう。
現在キリスト教の信者は、世界に約10億人いるとされており、宗教の中では最大級といえます。
キリスト教における葬儀の形式
キリスト教における「死」の考え方は、どちらといえばポジティブです。人間は死によって肉体から解放され、神(イエス・キリスト)の元へいけると考えられています。故人の命は死後も永遠に続くとされているため、死ぬことは決して悲しいことではないと捉えられているのです。
そのため、教会でおこなわれる葬儀でも聖歌や讃美歌が歌われ、みんなで神の元へ旅立つ故人を祝福します。
仏教の宗派
日本で一般的な宗教は仏教であり、多くの宗派があると先述しました。仏教には、浄土宗や浄土真宗を始めとして13の宗派があり、それぞれの大きな違いは「経典」にあります。それぞれの経典を以下でまとめているので、参考にしてください。
宗派 | 経典 |
浄土宗、浄土真宗、時宗 | 浄土三部経 |
日蓮宗、天台宗 | 法華経 |
真言宗 | 大日経または金剛頂経 |
臨済宗、曹洞宗 | 特定の経典はなし |
まとめ
世界に伝わる宗教の種類について解説しました。どのような考えをもつ神様を信仰するのか、また「死」をどう捉えるのかは、宗教によって大きく異なるポイントです。日本は宗教にまつわる行事も少なく、宗教が人々の生活を支えるという認識は薄いかもしれません。それでも正月には初詣に行き、お彼岸にはお墓参りに行くでしょう。本記事を読んだ方は、ぜひそれらの行事の際に、今までよりも少しだけ「宗教」というものを意識してみてください。
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