仏具は、家庭で仏様を供養するために欠かすことのできない道具です。花立や香炉、おりんなど、種類によっては高額買取となるケースも少なくありません。
本記事では、仏具の持つ意味や種類について解説します。高額買取のポイントもぜひ参考にしてください。
仏具の持つ意味と2つの種類
仏具は本来、僧侶が寺院で使用する宗教用具でした。現在は、仏教の教えをあらわす道具として、一般家庭で広く使用されています。
ここでは、仏壇に欠かせない仏具の意味合いについて掘り下げていきましょう。仏具の美しさを保つための手入れ方法はもちろん、仏具には「仮仏具」と「常用仏具」2つの種類があることも紹介していきます。
仏具は仏教の教えをあらわしたもの
仏具の多くは仏壇に飾って使用します。仏具を仏壇に厳かに飾ることは「荘厳(しょうごん)」と呼ばれ、その様子は「浄土」を表すといわれてきました。
浄土とは、仏様の世界を意味する言葉です。心を込めて仏具を荘厳することは、仏様を供養することへとつながります。つまり、仏具は仏教の教えそのものを表すものだといえるでしょう。
仏具の手入れは乾拭きが基本
仏具の素材はさまざまですが、手入れは乾拭きが基本です。乾拭き時には、ガーゼやタオルなど素材が柔らかい布を使用しましょう。
特に、金属製品は水拭きは禁物です。万が一さびが見られる場合には、仏具専用のさび取り剤を使用します。
日頃の手入れは、乾拭きでじゅうぶんだといえます。盆や彼岸といった節目となる時期には、灰の入れ替えやさび落としなどの手入れを心がけると良いでしょう。
種類は「仮仏具」と「常用仏具」の2つ
仏具には「仮仏具」と「常用仏具」の2種類があります。仮仏具は四十九日法要を終えるまでに使用する仏具で、一般的に葬儀社から購入するものです。白や青みがかった色合いで、陶器製のものが多いです。
常用仏具は、四十九日以降に仏壇に飾って使用します。一般的に、仏具というと常用仏具を思い浮かべる方が多いかもしれません。常用仏具は素材やデザインの幅が広く、予算や仏壇の雰囲気にあわせたものを選択できます。
3種の礼拝仏具(らいはいぶつぐ)
礼拝仏具(らいはいぶつぐ)とは、仏壇でお参りする際に手を合わせる対象となる仏具のことです。礼拝仏具には、以下の3点が挙げられます。
- 本尊(ほんぞん)・脇仏(わきぶつ)
- 位牌(いはい)
- 法名軸(ほうみょうじく)
礼拝仏具は、購入後に「魂入れ(たましいいれ)」と呼ばれる儀式をおこなう必要があります。購入したままでは本来の役割は果たせないため、気を付けましょう。ここでは、それぞれの礼拝仏具の特徴や置き方について紹介します。
1.本尊(ほんぞん)・脇仏(わきぶつ)
本尊(ほんぞん)は、仏壇の中心に祀る仏具のことです。宗派によって本尊は異なり、仏壇の本体とみなされています。仏様をかたどったもののほか、掛軸タイプのものもあるでしょう。
脇仏(わきぶつ)は、本尊の左右に安置する仏像や掛け軸のことです。中心の本尊と左右の脇仏をセットにした3つの仏具は、仏壇の最上段に祀ります。
2.位牌(いはい)
故人の戒名や没年月日、俗名などが記されたものが位牌(いはい)です。重要な仏具である位牌には、故人の霊魂が宿るといわれています。
位牌を祀る場所は、仏壇の上から2番目にあたる段です。地域や宗派によって場所が異なるケースもあるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。なお、浄土真宗では位牌は使用しないのが一般的です。
3.法名軸(ほうみょうじく)
法名軸(ほうみょうじく)は、主に浄土真宗で用いられる仏具です。戒名が故人に与えられる名前であるのに対し、法名は生前に仏弟子として誓いを立てる際に授かるという違いがあります。
また、仏弟子であることを意味する「釋(しゃく)」と、2文字の法名で構成されていることも特徴です。宗派によっては、男性は「釋」、女性は「釋尼」と使い分けるケースもあります。
無地の掛け軸に法名が書かれた法名軸は、仏壇の内側に掛けて祀りましょう。
三具足(みつぐそく)とその他の基本仏具
仏具には、前述した礼拝仏具のほか「三具足(みつぐそく)」と呼ばれる仏具があります。ここでは、三具足とあわせ「おりん」や「茶陶器」といったお参りに欠かせない仏具をおさえていきましょう。
特に、金属製のおりんは、買取機会の多い仏具のひとつです。使用時の置き場所とあわせ、種類の違いもぜひチェックしてみてください。
仏壇に欠かせない三具足
三具足(みつぐそく)とは、仏壇を飾る際に最低限必要とされる仏具のことで、以下の3点を指します。
- 花立(はなたて)
- 香炉(こうろ)
- 火立(ひたて)
三具足は仏壇に手を合わせる際に使用するものがほとんどです。しかし、正式な名称や置き場は知らない方も多いかもしれません。
また、花立と火立、それぞれ2つずつ用意する場合は「五具足(ごぐそく)」と呼ばれます。ここでは、三具足の特徴と置き方について確認していきましょう。
1.花立(はなたて)
花立(はなたて)は、仏壇に花を供える際に使用する仏具です。仏壇に供える花は仏花(ぶっか)と呼ばれます。
仏花は仏様の慈悲の象徴であり、故人を思う気持ちを表すものです。花立に立てる仏花は、なるべく長持ちするものが良いといわれます。線香の香りを妨げるような香りの強い花や、毒やトゲのある花は避けましょう。
花立はベーシックな無地のほか、白地に金の装飾を施したものや花瓶型のものなど、さまざまな種類があります。仏花を入れた花立は、仏壇の下段の左側、または膳引きと呼ばれる引き出し部分に置いてください。
2.香炉(こうろ)
香炉(こうろ)は、火を付けた線香を立てるための仏具です。線香が倒れないよう、中に灰を入れて使用します。線香の香りには、お参りする人を清める役割があるといわれ、香炉は供養時に欠かせないものです。
香炉は丸型のほか、長方形や玉型などさまざまな形状があります。3本足の香炉の場合は、1本を手前に向けて置くことも覚えておきましょう。
3.火立(ひたて)
ロウソクを立てる仏具は、火立(ひたて)と呼ばれます。ロウソクは、線香に火を付けるために立てると思われがちです。しかし、実際にはロウソクの灯りは「闇を照らす智慧(ちえ)の光」という意味合いがあるといわれています。
火立には、無地のほか青地や金メッキを施したものがあります。置き場所は、ほかの三具足と同じ段の右側部分です。
その他の基本仏具
三具足以外の基本仏具には、「おりん」「茶陶器」「仏飯器」などが挙げられます。
おりんは、お経の合間に鳴らす仏具のことです。金属製のものが多く、使用する際はおりんを置く布団や台、棒を揃えます。
茶陶器と仏飯器は、それぞれ水やお茶、炊きたてのご飯をお供えする際に使用するものです。茶陶器は白地のものが多く、金の装飾が施されているものもあります。仏飯器は仏様への敬いの意味を込め、足が高くなっているのが一般的です。
仏具の買取ポイントと相場価格
仏具の買取ポイントは、貴金属としての価値にあると考えられます。金を使用している仏具であれば、思いもよらないような価値を持つ場合もあるかもしれません。
手元に使用しない仏具がある場合は、買取に出すのもひとつの方法です。ここでは、仏具の買取ポイントと買取参考価格を紹介します。おりんや花立、香炉など仏具の買取を検討している方はぜひ参考にしてください。
買取ポイントは貴金属としての価値
仏具はベーシックな無地が一般的ですが、なかには金や銀、プラチナなどを使用しているものがあります。貴金属としての価値がある仏具は、買取の際にも高い評価が期待できるでしょう。
「見た目では判断が付かない」という場合には、一度査定に出してみるのがおすすめです。査定のために磨き上げることで、金や銀の素材が判明するケースがあります。貴金属としてだけでなく、骨とう品や古美術品としての価値を持つ仏具も少なくありません。
そのまま処分するのか、売りに出すのか判断に迷うときは、買取の専門業者に相談してみると良いでしょう。
おりん・花立・香炉の買取参考価格
ここでは、おりん・花立・香炉の買取参考価格を紹介します。仏具は種類や素材によってさまざまに価格が異なるため、相場価格も定まっていません。そのため、あくまでも参考価格ではありますが、買取を検討する際は参考にしてみてください。
例えば、18金のおりんは1グラムあたり約3,700円の買取価格が見込まれます。銀製であれば、1個あたり7,000円前後が参考価格となるでしょう。
花立の買取参考価格は、1万~2万円前後です。純金、純銀製の花立であれば数十万円前後の価格も見込まれます。
香炉には金製や銀製のもののほか、真鍮製のものもあります。真鍮製であれば買取価格は約1万2,000円です。貴金属ではなく、古美術品として歴史的な価値が見込まれる香炉もあるでしょう。
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まとめ
家庭でのお参りに欠かせない仏具には、さまざまな種類があります。また、陶器や金、銀など多様な素材で造られていることが特徴です。
手元に仏具があり、買取を考えるときは専門業者に依頼するのがおすすめです。なかには貴金属や古美術品としての価値を持つ仏具もあります。
買取に出す業者を決めかねている場合は、ぜひとも「永寿堂」にお任せください。量が多く宅配が困難な場合は、出張買取にも対応可能です。