仏具の買取には、3つの方法があります。どの方法を選ぶかによって相場も変わるため、売る前に目安を知っておくと安く買い叩かれるリスクを減らせるでしょう。この記事では買取方法を中心に、売れる仏具の特徴や買い取ってもらえるものの特徴を解説します。
買取は難しい?売れる仏具の特徴
仏具は、条件が揃えば買い取ってもらえる可能性が高いです。ここでは、売れる仏具の特徴を紹介します。
- 美術品や骨董品の価値がある
- 貴金属としての価値がある
- リサイクル品としての価値がある
これらの特徴を知っておくことで、自分の持っている仏具が売れるのかどうかを、ある程度は判断できるようになります。それぞれの特徴を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
美術品や骨董品の価値がある
美術品や骨董品としての価値がある仏具は、高く売れる傾向があります。なぜなら、本来の仏具としての使い方だけではなく、コレクションの一部として需要があるからです。特に海外では、インテリアとして飾っている方もいます。
美術品としての価値が認められる仏具は、以下のものです。
- 仏像
- 仏壇
- 仏画
- 花立
- 曼荼羅(まんだら)
これらを査定するときには、美術品としての価値だけではなく、希少性や歴史的価値も加味されて最終的な買取価格が決まります。
貴金属としての価値がある
貴金属としての価値がある場合も高く売れます。どのような貴金属が使われているのか、その比重や査定時の単価を加味されて買取価格が決定するのが相場です。浄土真宗で使われている金仏壇は、貴金属というよりも伝統工芸品としての価値が付きやすいとされています。
貴金属として買取対象になる仏具は、以下のものです。
- 仏像
- 仏器
- 花立
- 火立
- リン
似たような見た目の仏具でも、宗派などによって査定基準が変わってくるため注意しましょう。
リサイクル品としての価値がある
量産型でメッキ品や塗料で色塗りされたものは、リサイクル品としての価値があるかどうかで買取価格が決まります。日用品のリサイクルと仕組みは同じです。職人が丁寧に作った仏具である場合には、伝統工芸品として買い取ってもらえます。
ただし、高く売れるとは限りません。使える資源にするために、分解する場合にはコストがかかります。そのコストを考えた上で買取価格が提示されるため、かなり少額になることは覚悟しておいてください。
仏具の買取相場
仏具には、ある程度の相場が存在します。ものによっても違うため、それぞれ見ていきましょう。
- 素材によって価格が変わる「仏像」
- 仏壇の奥にかかっている「掛け軸」
- お香や抹香を焚くときに使う「香炉」
- 仏壇前の台「経机」
自分の持っている仏具をどのくらいの価格で買い取ってもらえるのかが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
素材によって価格が変わる「仏像」
「仏像」は、素材によって価格が変わりやすいとされています。特に高く売れるのは、金が使われている仏像です。素材の価値が評価されるため、高値で売れる傾向にあります。
また木製の仏像であっても、古美術品としての価値があれば高く買い取ってもらえます。買取相場は、5,000〜5万円です。中には150万円以上の価値になるものもあります。
仏像は査定額にかなりの差が出やすいものなので、売る場所の選定が非常に重要です。仏像の買取について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
仏像の高額買取につながる5つのポイントを解説!主な素材や仏師も紹介
仏壇の奥にかかっている「掛け軸」
「掛け軸」というと畳の部屋にかかっているイメージですが、仏壇の奥にかけられているものも掛け軸であり、買取の対象です。現在、掛け軸は価値が下がり始めているといわれていますが、それでもそれなりの価格で買い取ってもらえます。相場は7,000〜1万円程度です。
主に、古美術品としての価値を評価して買い取ってもらえます。作者や入手先が分かるものや、作者名が書かれているものは高値が付きやすいです。箱があると本物の証明になるため、必ず一緒に査定に出しましょう。
お香や抹香を焚くときに使う「香炉」
お香や抹香を焚くときに使う「香炉」も買取対象です。仏具として使われる香炉には金や銀、真鍮が使われており、素材の価値の高さから高価買取が期待できるでしょう。中には伝統工芸品や古美術としての価値をもつものもあります。
香炉には仏具以外の用途もあるため、需要が高いこともポイントです。相場は1万円程度ですが、中には100万円以上する香炉もあります。香炉は状態の善し悪しで査定額が変わるため、取り扱いには十分注意しましょう。
仏壇前の台「経机」
仏壇前に置いてある「経机」という台も買取対象です。経机は経本や香炉、数珠などを置くために使われるもので、黒漆塗りや金箔が貼られているものは、素材としての価値を評価されています。また証明書などが添付されている古いものは、歴史的な価値も評価してもらえるでしょう。
最近主流になっている折りたたみタイプは、価格をつけてもらいやすい傾向にあります。一般家庭用のサイズの相場は、2,000〜1万円程度です。高いものには10万円くらいの価値があるものもあります。
仏具の3つの買取方法
仏具の買取には、主として以下に示す3つの方法があります。
- ネットオークションを使う
- 仏具買取専門店に依頼する
- リサイクルショップに売る
それぞれ特徴があり、人によって合う合わないがあるでしょう。自分に合わない方法で売ってしまうと、予想以上に手間や時間がかかってしまうこともあります。それぞれの特徴をしっかりとおさえた上で、どの方法を使って売るかを選択しましょう。
それぞれの方法について詳しく解説していきます。
1.ネットオークションを使う
現在ではネットオークションを使うことで、家にいながらにして仏具を売却できます。オークションではコレクションとして仏具を購入する方が多く、素材やデザインによっては相場よりも高い値段で買い取ってもらえる可能性があるのです。
ただし、落札者とのトラブルや発送に手間がかかる点がデメリットといえるでしょう。商品の説明をしたにも関わらず、「思っていたものと違った」とクレームを付けられることがあります。変なクレームを付けられないためにも、傷がつかないように丁寧な梱包をして発送しなければいけません。
海外に発送する場合、その手続きも必要になります。手間がかかることは知っておきましょう。
2.仏具買取専門店に依頼する
仏具買取専門店に依頼して、買い取ってもらうことも1つの手です。特に、黒檀(こくたん)や紫檀(したん)などの高級な木材や多くの金箔が使われた仏具は買取が可能で、仏具買取専門店では再利用目的で買取してくれます。
ただし金箔を剥がすコストを考えると、金箔が少し使われている程度の仏具では高額買取が期待できないかもしれません。中には手数料をとる業者もいるため、依頼する際には見積もりをしっかり取って価格をチェックしておきましょう。
3.リサイクルショップに売る
仏具を処分したい場合には、リサイクルショップに売る方法もあります。しかし、リサイクルショップでは仏具の需要が少なく、買取対応しているところは少ないでしょう。買取した場合でもそのまま売るのではなく、解体して再利用することが多いようです。
買取価格は安い傾向にあります。リサイクルショップのメリットを挙げるとすれば、日用品と一緒に売れることです。高級品ではないと分かっているものを、家の不用品と一緒に売りたい場合に使える手段でしょう。
仏具を買い取ってもらう際の注意点3つ
仏具を買い取ってもらう際には、注意すべき点が3つあります。
- 祭祀承継者への許可を取る
- 閉眼供養をする
- きれいな状態で売る
上記の点に気をつけていなければ親族間でトラブルになったり、査定額が下がってしまったりすることが考えられます。仏具をスムーズに買い取ってもらいたい方は、以下を参考にしながら準備をしてください。
1.祭祀承継者への許可を取る
仏具を売る前に、祭祀承継者の許可を取るようにしましょう。祭祀承継者は、仏具などの祭祀財産を処分する権利を持っています。祭祀継承者以外の人は、仏具を勝手に処分できません。
許可取りを怠った場合には売った直後に取り戻しの依頼をすることになり、それがトラブルの元になってしまうこともあります。
祭祀承継者は、遺言などで被相続人が指定されるのが一般的です。そうではない場合には、習慣や家庭裁判所で決まります。長男が継ぐという決まりはないため、仏具を売る際には誰が祭祀承継者かを必ず確認するようにしましょう。
2.閉眼供養をする
仏具を処分する場合は、閉眼供養をしてください。閉眼供養とは、故人の魂を抜いてあげる儀式のことです。別名、魂抜きとも呼ばれています。
閉眼供養は、お坊さんに依頼して仏壇の前で読経と供養をしてもらえば完了です。部屋が散らかった状態ではお坊さんに対して失礼に当たるため、片付けてから招くようにしてください。閉眼供養が終われば、仏具を売れます。
この閉眼供養は、全ての仏具に必要なわけではありません。仏像や掛け軸、位牌には必要ですが、それ以外のものには不要なのでそのまま処分しましょう。仏具の処分には手間がかかることを覚えておいてください。
3.きれいな状態で売る
きれいな状態で売ると、査定額がアップする可能性があります。汚い状態だと逆に査定額がダウンすることもあるので、売る前には必ず掃除をしておきましょう。
また仏壇などの大きなものを売る際には、引き出しに貴重品が入っていないかどうかをチェックしてください。特に高齢の方に多いのが、引き出しに通帳や現金を入れている例です。そのまま売ってしまうと廃棄処分されたり、海外に輸出されたりしてしまいます。
そうなると、取り戻したくても取り戻せなくなるかもしれません。全ての引き出しを開けてみて、空になっていることをチェックしてから売るようにしてください。
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※一般家庭用の仏壇仏具は買取対象外となります。
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まとめ
売れる仏具には美術品や骨董品としての価値があったり、貴金属品としての価値があったりします。自分の持っている仏具が売れるかどうかを判断したいときには、この記事で紹介した3つの特徴を参考にしましょう。代表的な仏具の買取相場も紹介したので、おさえておいてください。
仏具には、3つの買取方法があります。ネットオークションは高値で買い取ってもらえる可能性が高いですが、購入者とのトラブルが発生するリスクがあるため気をつけましょう。
仏具買取専門店では、再利用目的で買い取ってもらえます。高級品であれば高額買取も期待できるでしょう。リサイクルショップは取り扱いが少ないため注意してください。
売る際に注意すべき3点も忘れないでおきましょう。もしも売る業者を決めかねているのであれば、ぜひとも「永寿堂」にお任せください。