仏像とは、仏教における信仰対象である仏の姿を表現した像のことです。骨董品である仏像はその価値に気付きにくく、思いもよらぬ買取価格となるケースも少なくありません。
そこで本記事では、仏像の高額買取につながるポイントや主な素材、代表的な仏師などを紹介します。
仏像の高額買取につながる5つのポイント
年代が古くて歴史的な価値の高い仏像や人気の作家が作った仏像は、高値で取引されやすい傾向にあります。しかし、状況次第では価値が下がることもあるため、高額買取を目指すのであればポイントをおさえておかなければなりません。仏像の高額買取につながるポイントは以下の5つです。
- 付属品や鑑定書の有無
- 仏像の保存状態
- 仏像に使われている素材
- 種類や様式
- 作者の知名度
それぞれの詳しい内容について解説します。
1.付属品や鑑定書の有無
仏像の付属品や鑑定書の有無は、買取価格に影響します。付属品とは、仏像が真作であることを証明するものです。共箱などの付属品は、仏像とセットにして保管しましょう。
また、鑑定書があるとプラス査定されやすく、買取価格が大きく変わるケースも少なくありません。できれば付属品と鑑定書のいずれも揃えておきたいところです。
2.仏像の保存状態
仏像の保存状態も買取価格に大きく影響し、保存状態がよいほど買取価格が高くなりやすいです。反対に汚れや傷、割れなどがあると、価値の高い仏像であっても買取価格が大きく下がる可能性があります。
ちなみに、共箱は仏像を適切な状態で保管できるように作られています。そのため、仏像を共箱に保管しておけば、状態を維持しながら付属品と一緒に保管できるため一石二鳥です。
3.仏像に使われている素材
金や木、石、象牙など、仏像に使われる素材はさまざまです。これらの素材は、仏像が作られた年代を特定する手がかりにもなります。
一般的に金などの希少価値の高い素材で作られている仏像の買取価格は、高くなりやすい傾向にあります。また、工芸品としての価値や歴史的な価値も加わるため、通常よりも数倍の価格で売れるケースも少なくありません。
4.種類や様式
種類や様式も買取価格を左右する要素の1つです。仏像は如来や明王、菩薩などのいくつかの種類に分かれており、人気の種類は時代によって異なります。近年では阿弥陀如来像などの人気が高く、高値がつきやすい種類の1つです。
ポーズや表情、衣装などといった仏像の様式は、その仏像が作られた年代を特定する手がかりになり、これも買取価格に強く影響します。
5.作者の知名度
仏像の買取で重視されるのは「作者」です。共箱などの付属品や鑑定書、保証書などをもとに仏像の作者が特定されます。
高い知名度を持った作者であれば、驚くほどの高額買取となる可能性もあるでしょう。代表的な仏師には「高村光雲」や「松久宗琳」などが挙げられ、詳細は後述の「高価買取になりやすい5人の仏師」で紹介しています。
仏像によく使われる主な素材
前述のとおり、仏像に使われる素材はさまざまであり、作られた年代などの特定に役立ちます。仏像で主に使われている素材は次の3つです。
- 木
- 金属
- 石と漆
いずれも日本で作られる仏像で多く使われている素材であり、それぞれに特徴があります。これらの素材の違いによる買取価格への影響も見逃せません。ここでは、素材ごとの特徴について詳しく紹介します。
高値買取を期待できる「木彫り」
日本の仏像で多く使われている素材として「木」が挙げられます。木彫りの仏像は、次の2つの方法によって作られるのが一般的です。
- 一本造り:1本の木材で作る手法
- 寄木造り:複数の素材を組み合わせて作る手法
特に一本造りで作られた仏像は寄木造りよりも古いものが多く、希少価値が付いて高額買取になりやすい傾向にあります。
素材の価値を評価される「金属」
「金属」で作られている仏像は素材自体の価値が評価されるため、高値での買取を期待できます。金属の中でも希少価値の高い「金」で作られている仏像は高値がつきやすく、歴史的な価値が加われば相場以上の価格となります。
ただし日本における金属製の仏像は、青銅に金メッキを施したものが多く、純金ではないものが多いのも事実です。
査定額は抑えめ「石仏」と「漆」
「石」と「漆」で作られた仏像は、ほかの素材に比べて査定額が低くなりやすい傾向にあります。
石仏とは、その名のとおり石で作られた仏像のことです。岩山に直接作られた仏像は「磨崖仏」ともいいます。石仏は新しい年代に作られたものが多く、高値がつきにくい素材といえます。
また、漆で作られた仏像は年代の古いものが多いものの、木や金で作られた仏像に比べると買取価格が低くなりやすいでしょう。
高価買取になりやすい5人の仏師
仏像の作者の中でも高額買取になりやすい仏師として、次の5人が挙げられます。
- 高村光雲(たかむらこううん)
- 松久宗琳(まつひさそうりん )
- 松本明慶(まつもとみょうけい)
- 関野聖雲(せきのせいうん)
- 横江嘉純(よこえよしずみ)
いずれも明治や大正、昭和、平成の各時代で活躍した有名仏師ばかりです。ここでは、高額買取になりやすい仏師達の経歴や背景などについて詳しく解説します。
1.高村光雲(たかむらこううん)
高村光雲は、明治から大正時代にかけて活躍した仏師です。仏像はもちろんのこと、動物をモチーフにしたさまざまな作品を手がけています。
高村光雲が活躍していた当時、木彫りは象牙彫刻の流行によって衰退の一途をたどっていました。しかし、西洋美術を学んだ高村光雲が木彫りに写実主義を取り入れ、木彫りの技術を近代につなげる役割を果たしたのです。
2.松久宗琳(まつひさそうりん )
松久宗琳は、昭和から平成時代にかけて活躍した彫刻家の1人です。12歳のときに仏像彫刻の門を叩き、延暦寺東塔五智如来像や大阪市天王寺丈六仏などを手掛けています。
また京都仏像彫刻研究所を設立し、仏像制作の教育や普及にも尽力しました。松久宗琳にとって仏像を彫ることは、暮らしの一部といった感覚であったとしており、仏に魅入られたように仏像を作っていたようです。
3.松本明慶(まつもとみょうけい)
松本明慶は、京都府に在住する現代の仏師です。17歳で仏像を彫り始め、1939年に京佛師の崎宗慶師に弟子入りしました。
1955年に京都佛像彫刻展で市長賞、1960年には知事賞を受賞し、1991年(平成3年)に総本山より「大佛師」の号を拝命しています。写実的な仏像制作技術は現代でも屈指で、買取価格も高値がつきやすい仏師の1人です。
4.関野聖雲(せきのせいうん)
関野聖雲は高村光雲の弟子であり、高村と同じく彫刻家かつ教育者として活躍しました。明治時代以降において木彫り文化の礎を築いた1人です。
1つの仕事に対して1つの道具を新たに作ったという逸話が残るほど、彫刻家の中でも道具への強いこだわりを見せた仏師でした。代表作として「聖徳太子」や「鴦崛摩」などがあり、いずれも高い評価を得ています。
5.横江嘉純(よこえよしずみ)
横江嘉純は、元々画家を目指していました。しかし、自分には画才がないと感じ、彫刻家へ転向した経歴を持つ仏師です。
人間の動きや表情などが豊かに表現されているのが横江作品の特徴で、塑像(そぞう)という技法を使用しています。塑造とは、粘土などの柔らかく可塑性のある素材をこねてつくる方法のことです。
戦後は日本最大の総合美術展覧会である「日展」に参加し、業界の重鎮としても活躍しました。1955年に東京都中央口前広場に建立された「愛の像」の制作者としても有名です。
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まとめ
高村光雲や松久宗琳などの有名な仏師が作った仏像には、思いもよらぬ買取価格がつくケースも少なくありません。ただし、付属品や鑑定書の有無、使われている素材などの条件によって買取価格が変わることもあります。
また、いくら貴重な仏像であっても、その価値を正しく判断できないと相場よりも安く買い取られてしまう場合もあるため、相場どおりの適正価格で売りたい場合には、仏像買取に強い買取業者に相談してみましょう。
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